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小児眼科:近視と進行予防のための治療法

shoni ganka

小児の近視について

「近視」とは、眼球自体の長さ(大きさ)が長くなることや生理的にレンズの屈折力が強すぎることが誘因となり、角膜や水晶体で屈折した光が網膜よりも手前で焦点を結んでしまうためにピントがぼけた状態をいいます。

日常生活において遠くのものは見えづらいですが、近くのものにはピントが合います。

お子さまの場合、視力は近くから発達していきますので、たとえ近視があっても弱視になる可能性は一般的に低いと考えられています。

近視を矯正する方法としては、近視矯正用のレンズの眼鏡やコンタクトレンズを装用するのが一般的で、レンズを通して見ることで網膜上にピントの合った像が投影されるようになります。

世界的に近視の人口は2000年では13億人といわれていましたが、50年後には49億人へと増加の一途をたどると予想されています。

強度の近視へ移行してしまうと、眼球自体の長さ(大きさ)の行き過ぎた延長によって黄斑変性や網膜剥離、緑内障などのリスクが高まります。定期的に小児眼科を得意とする眼科へ診察をお勧めいたします。

◉近年は近視がはじまる年齢が若年齢化する傾向がある

近年は近視がはじまる年齢が若年齢化する傾向にあります。

これは、幼少期からスマートフォンやタブレット端末、ゲームなどにふれる機会も多く、近くでの作業が極端に増えていることと関係していると言われています。

また、このコロナ渦での自粛で屋外活動が制限され、お家でのリモート授業や宿題といった近くを見る作業ばかりしいられていたことも大きな要因ではないかとも考えられています。

学校検診の視力検査で眼科受診を指摘される原因の多くは、身長が伸びるのと同じように眼球が前後方向に成長していく過程に伴う近視によるものが大多数です(軸性近視)。

通常、学童期の近視は小学校の中〜高学年に進行のピークをむかえるとされていますが、その後も25歳くらいまでは緩やかに進行するといわれています。成長期がやや遅めなお子さまであれば、中学校に入って急激に身長が伸びたときに近視が進行する場合もあります。

前述のように、近視の初発年齢が若年齢化していく現代において、早い時期に近視を発見し少しでも進行を抑制して強度の近視へと移行させないようにすることがとても重要になります。

小児の近視の進行を抑制する治療方法

近視の進行を抑制する治療の研究は現在では盛んに行われており、効果が報告されている治療として「オルソケラトロジー治療」や「低濃度アトロピン点眼治療(マイオピン)」があります。

オルソケラトロジー治療

特殊な形状のハードコンタクトレンズを就寝時に装用することで、角膜の形を変形させて、日中の近視矯正を不要にする治療です。近視が矯正されている日中の一定時間は裸眼で生活することが可能になります。

<メリット>
・日中は裸眼で生活できる。
・スポーツをする際などに向いている。
・治療を途中で中断すれば、もとの目の形に戻すことができる。(レーシック手術などとは違う)
・日中裸眼になることで、コンタクトの上から点眼できなかった目薬もさせるようになる。      

<デメリット>
・見え方が安定するまで少し時間がかかる。(個人差があります)
・強い近視や乱視、斜視がある方などは適応外になる。
・基本的に毎日装用とレンズケアをする必要があるため、特に学童期のお子さまなどではご家族の協力が必要となる。
・取り扱いを誤るとアメーバや緑内障などの感染症をおこす危険性がある

オルソケラトロジー治療は、取り扱い方法などにも注意を要する特殊な治療になりますので、専門医の管理のもとで定期的な診察・検査を受けていただく必要があります。

低濃度アトロピン点眼治療 (マイオピン)

指定の点眼薬を毎日就寝前に1滴点眼する方法です。
アトロピン点眼液は以前から近視進行予防に有効と考えられてきました。
しかし、一般的に用いられる濃度では黒目を大きくする作用による羞明(まぶしさ)や調節麻痺作用による近見障害、全身副反応などの問題もあって、治療には用いられてきませんでした。
そこで、濃度を薄めた0.01%アトロピン点眼液(マイオピン点眼)を使用した臨床研究がシンガポールで行われ、一定の近視抑制効果があったと報告されました。さらに濃度が0.01%であれば、羞明(まぶしさ)や近見障害など副作用の問題がほとんどみられないことから、現在日本の眼科診療所でも近視抑制治療の1つとして普及してきています。

<メリット>
・点眼1日1回で済むため簡便。
・点眼による副作用も少ないので安心
・コンタクトを取り扱うのが難しいお子さまに向いている。

<デメリット>
・視力を矯正する効果はないので、必要に応じて眼鏡やコンタクトレンズを使用することになる。

本治療は学童期のお子さまが対象となります。

点眼薬処方後は、1〜3カ月ごとに定期的な検査や診察が必要となります。

◉小児の近視抑制治療は個人差があります。小児眼科を積極的に診療している眼科へまずはご相談を

ここまで近視抑制治療についてお話してきましたが、これらの治療法は近視の進行を完全に止めるわけではありません。また、治療効果には個人差があります。

あくまで何も近視に対して治療をされなかった方と比べて、近視の進行をゆるやかにする方法として考えていただければと思います。

当院でもこの2つの治療法を導入しておりますので、ご興味のある方はお気軽にお尋ねください。

その他、最近は大人の方でもスマートフォンなどのタブレット端末やパソコン作業などの長時間の近方でのVDT作業によってピント調整の機能が過緊張状態となり、環境的な要因によって見かけ上近視が進んでいる方も多いです。

このようなかたの場合、作業環境・生活習慣の改善や点眼治療が有効な場合がありますので、一度受診されることをおすすめいたします。

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