マイオピン
眼科
自由診療
強度な近視は視力障害、黄斑変性症、網膜剥離、緑内障などの眼疾患のリスクを高めます。
近年、日本での学童近視の割合は増加しており60〜80%が近視、
15〜20%は高度近視であると確認されております。
学童期に進行する近視は、主に眼球自体の長さが伸びてしまうことで生じます。
当院では近視の進行予防をたすけるための治療を用意しております。
マイオピン治療
マイオピンとはお子様の近視進行を抑制するための目薬です。マイオピンという点眼を一日一回就寝前に使用することで近視の進行を抑えます。
マイオピンはシンガポール国立眼科センターの研究に基づいて開発された0.01%アトロピン点眼製剤です。アトロピンの点眼は日本では1%製剤として製剤化されており、検査やぶどう膜炎の治療などの目的で使用されています。1%アトロピン点眼は1960年ころには学童期の眼球の前後方向への伸長、すなわち近視化を妨げる効果があるとして研究がされ始めました。
しかし瞳孔が開き続けることによる眩しさ・不快感が出る、眼の調節機能が麻痺し読書や作業が困難になる、アレルギー性結膜炎や発熱副作用があり、近視抑制治療としては実用的なものではありませんでした。
1999年に濃度を薄めたアトロピンでも近視抑制効果があることが報告されました。2012年には大規模な臨床試験の結果も行われ、その結果低濃度のアトロピンでも近視抑制に有効であり濃度を薄めることで副作用が減らせることが確認されました。
近視を抑制することが大切な理由
典型的な学童近視は、眼球自体が伸長する(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じます。近くで見ることが 習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることがありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。低濃度アトロピン(マイオピン)には眼軸長を伸展させる働きに関連するムスカリン受容体をブロックする効能があると言われています。
マイオピン治療の適応について
対象となるのは以下のお子様です。
- 軽度または中等度の近視の方
- 6~12歳の学童の方
- 1~3ヵ月毎の定期通院が可能な方
- 2年以上の継続が可能な方
マイオピンの特徴
- 近視の進行を平均60%軽減させると言われています。
- 日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要です。
- 目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えません。
- 近見視力の低下に殆ど影響を与えず、更に累進屈折眼鏡も不要です。
- 毎日就寝前に1滴点眼するだけの、非常に簡単な治療法です。
- 目薬(1本5ml)は両眼用で1カ月の使い切りです。
- 点眼薬はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で製造されています。
マイオピンの安全性
シンガポール国立眼科センター(SNEC)のアトロピン0.01%の効能・効果及び安全性の研究(点眼を2年間継続した後によるもの)では以下のように報告されています。
- アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はありませんでした。
- 眼圧(IOP:Intraocular eye pressure)に影響を与えないとの報告でした。
- 白内障を形成するとの報告はありませんでした。
- 点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありませんでした。
- 電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。
治療のスケジュール
治療をご希望の方は、まずは受診をお願いいたします。検査を行ったのち、治療のご相談をさせていただきます。
※念の為保険証・医療証もご持参ください。
治療開始される場合は1~3ヵ月に1回来院し、検査、診察を受ける必要があります。
治療費
保険外治療になります。
- 初回処方検査料込みで4,850円(税込)
- 点眼1本あたり3,750円(税込)
- 検査代(1〜3ヶ月ごと)1,100円(税込)となります。
※なおオルソケラトロジーとの併用も可能です