眼鏡(メガネ)のいろいろ
皆さんが普段使用されている眼鏡には、さまざまな種類がありそれぞれ特徴があります。
特徴をよく理解して、ご自身のライフスタイルに適した眼鏡を選ぶことで日常生活での見え方の質は大きく変わるなんてことも・・・
今回は、そんな“眼鏡のいろいろ”についてお話していきたいと思います。
「遠近両用眼鏡」
遠近両用眼鏡とは遠く、中間、近くを見ることができるように設計された眼鏡です。
普段かけたままの状態で生活することを想定した眼鏡なので、遠くが見える部分を大きく確保されているのが特徴です。
黒目の中心にあたる位置から上の部分が遠くが見える部分にあたります。
そこから視線を落としていくと、中間が見える度数〜近くが見える度数へと加入度数が段々と加わって見え方が変化していく構造になっています。
遠くも近くも見える便利な眼鏡ですが、使用される上でいくつか注意事項があります。
・眼鏡の性質上、遠くと近くを見ることを目的としています。
中間距離のものが見える部分は非常に範囲が狭いため、あくまでも補助的な役割となります。
・階段を降りる際などは視線が下へ向きますので、ピントが合わず危険なこともあります。
つまり、使用する上で視線の運び方に慣れていただく必要があります。
お顔ごと下を向くのではなく、目線だけを下げていただくことが重要になります。
・レンズの構造上、周辺部に歪みが生じる場所があります。
お手元を矯正するための加入度数が大きくなるほど、この周辺部の歪みが強くなります。
多少の個人差はありますが、見え方に慣れるまでは時間がかかることがあります。
そのため、加入度数が小さくて済むお若いうちからの装用がオススメです。
「中近両用眼鏡」
遠近両用眼鏡では、遠くが見える部分を広く、中間〜近くが見える部分を狭く設計されています。長時間のPC作業などをされるご職業の方では視線が固定されてしまうので、遠近両用眼鏡では疲労感を感じてしまうことも少なくありません。
そのような場合にオススメなのが中近両用眼鏡です。
中近両用眼鏡では、遠くが見える部分が非常に狭く、視点からも高い位置に設計されています。
遠くが見える部分はあくまで補助的なものとなるため、外出先で遠くの景色を見たいときや車の運転などには向きません。
そのかわり度数の変化が遠近両用眼鏡よりは小さくてすみますので、歪みが生じる部分は狭くなり違和感も少ない特徴があります。
コロナ渦で在宅ワークなどが推進されることが多いこのご時世、遠近両用では度が強い感じがして、もう少し中間距離を楽に見たいというご希望がある方は一度試してみてはいかがでしょうか。
「近々両用眼鏡」
近々両用眼鏡は、デスクワークに適した眼鏡です。
一般的な老眼鏡の場合、例えばデスクトップ型パソコンの画面を見えるように合わせるとキーボードや書類を見るには度が足りないことがあります。
また、反対にキーボードや書類が見やすいように合わせてしまうと、パソコン画面を見るのには度が強すぎて疲れてしまうなんてこともあります。
そのような場合にオススメなのが近々両用眼鏡です。
レンズの構造自体は遠近両用眼鏡や中近両用眼鏡と同じですが、“遠近両用眼鏡を手元用に合わせる“イメージの眼鏡ではなく、“老眼鏡での見える範囲を少し広げた眼鏡”に近いと思います。
近々両用眼鏡ではレンズ内での度数の変化が小さいため、歪みが少なく視野も広いことが特徴です。
そのため、遠近両用眼鏡や中近両用眼鏡にくらべて違和感が少なく装用しやすいと言われています。
お仕事でお手元の書類を確認しながらパソコンの画面を見る作業をされる方も多いと思います。
一般的な老眼鏡ではデスク全体が見渡せず、ご不便を感じられている方は一度試してみてはいかがでしょうか。
「アシストレンズ」
別名「スマホレンズ」とも呼ばれる眼鏡で、若い年齢層に向けた遠近両用眼鏡です。
近年は、スマホやタブレット端末などの電子機器を長時間にわたり近い距離で見ていることが多いため、ピントを合わせる筋肉が緊張状態となって眼精疲労を訴える方も少なくありません。
そのピントの調整をしている筋肉の働きをレンズで補助してあげることで、眼精疲労を軽減させようという試みで作られた眼鏡が”アシストレンズ”です。
遠くを見るための度数と手元を見るための度数の差が小さいので、一般的な遠近両用眼鏡よりも歪みや視界の狭さなども少なくて済むと言われています。
普段お仕事などで手元を見ている時間が長く、今の眼鏡で近くを見ていると少し疲れるなと感じておられる方にオススメの眼鏡です。
このように眼鏡にはいろいろな種類が存在し、それぞれ特徴があります。
現在お使いの眼鏡での見え方にご不便を感じておられる場合は、ご自身のライフスタイルと眼鏡が合っていない可能性も考えられます。
また眼鏡が合わない原因には、背景に目の病気が隠れていることもありますので、一度眼科専門医にご相談いただくことをオススメします。
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