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黄斑円孔について

 黄斑円孔とは網膜の中でも特に視力に大きく関与する黄斑部に穴があいてしまう病気です。症状として視力低下や“ものや線の歪み(変視症)”や“ものがつぶれて見える”、孔が生じた部位に一致して“視野が暗くて見えにくい(中心暗点)”などがあります。

 黄斑円孔は加齢以外の要因のない特発性黄斑円孔と別の病気に引き続き発生する続発性黄斑円孔に分けられます。

特発性黄斑円孔が黄斑円孔のほとんどを占め、50~70歳代に発症することが多くやや女性に多い(男女比2:3)です。発症機序としては年齢の変化で眼の中を満たしている硝子体が変性・萎縮を起こし、黄斑部から離れる際(この現象のことを後部硝子体剥離といい、それ自体は病的なものではありません)に黄斑部を牽引してしまい穴があいてしまうというものです。

続発性黄斑円孔の原因としては、網膜剥離や強度近視など他の目の疾患や外傷・手術が挙げられます。

一般的に続発性のものは特発性のものに比べて治りが悪いとされています。特に強い近視に伴って発症したものでは治療をしても穴が塞がらずに経過が長引くことも多いです。

 黄斑円孔に対する基本的な治療は手術による穴の閉鎖です。ただし若年性の外傷性円孔や穴の小さいものなどの中には自然閉鎖するものもありますので慎重に適応を判断します。

日本では認可されていませんが海外では薬物療法(硝子体注射)の効果も照明されています。

通常、黄斑円孔に対する手術では穴を塞ぐ目的で空気やガスを目の中に入れて手術が終わります。手術をして直ぐに良く見えるようになるわけではなく、目の中に入れた空気やガスがぬけて孔もしっかり閉じることで見え方が徐々に改善してきます。穴が完全に閉鎖するには1週間程度かかるとされており、その間はガスがしっかり穴を塞ぐようにしなければならないためうつぶせの姿勢が必要となります(一定の期間、仰向けで寝ることができなくなります)。またガスや空気の影響、眼内操作の影響で術後白内障が進行することが多いため白内障手術を同時に施行することが多いです。

1回の手術で穴が閉鎖する確率は約90~95%と高いですが、手術後の視力や歪みの改善には個人差があります。術後半年~1年で見え方が固定してきますが、最終的にある程度の視力障害やものの歪みが残ってしまうこともあります。特に強い近視に伴うものや長期間経過したもの、大きい黄斑円孔などは治りも悪く視力障害やものの歪みの改善がよくないです。

 黄斑円孔の診断には眼底検査や眼底写真撮影による評価だけでなく、網膜の断層像を撮影する光干渉断層計検査(OCT)が必須となります。光干渉断層計検査(OCT)は黄斑部に生じた孔の大きさや範囲を把握できるだけでなく、黄斑円孔の病期の判定や手術適応の有無を決定するうえで重要な検査となります。その他補足検査として、アムスラーチャートと呼ばれる格子が描かれた検査表を用いてものの歪み(変視症)の程度を判断する検査やものを見る中心部付近の感度を調べるために視野検査が行われることもあります。

網膜前膜の項目でも触れましたが、両眼でみていると意外と自覚症状に気づかないことも多く、おそらく発症してからかなり時間が経過していると思われる方がふとした際に片目づつで視力をチェックし、症状に気づいて来院されるようなケースもあります。

なにか症状にお悩みの方や、お気づきの方は一度ご相談ください。

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