健康診断には、BMI測定、血圧測定、聴力検査、尿検査、血液検査、大腸がん検査、眼底検査、腹部超音波検査、心電図検査、胸部・胃部レントゲン検査、各種がん検診などのさまざまな項目が設けられ、項目ごとの結果判定を基に必要に応じて医療機関への受診を指示されます。
この記事では、健康診断の項目の1つである眼底検査のやり方からわかることまで詳しく解説します。
目次
眼底検査とは?
眼底検査とは、眼球の奥にある眼底と呼ばれる部分の状態を観察する検査のことです。
眼底には網膜・脈絡膜・視神経乳頭・硝子体・網膜血管などがあり、これらの組織は病気の影響を受けて変化が現れます。また、網膜血管は肉眼で確認できて、観察すると全身の血管の状態が予測できるので眼底検査が行われます。
眼底検査には次の2つの方法があります。
- 眼底鏡というライトとレンズを眼科医が持ち眼底を観察する方法
- 眼底カメラという機械で眼底の写真を撮影する方法
検査時にまぶしさを感じることもありますが、どちらの検査方法も痛みはありません。
また、眼底検査は散瞳薬という点眼薬を使って事前に瞳孔を開いて行う場合と、散瞳薬を使わない場合の2種類があり、散瞳薬を使った方が眼底を広範囲に検査できます。
散瞳薬を使うのは主に眼科での検査で、考えられる病気を幅広く調べたい場合です。
一方、散瞳薬を使わないのは健康診断や人間ドックなどでの検査で、手軽に眼底検査をしたい場合です。同じ眼底検査でも、使う機器や薬によって調べられる内容が異なるのを覚えておきましょう。
眼底検査でわかること
眼底検査でわかる主な異常を9つご紹介します。
高血圧性変化・動脈硬化性変化
眼底の網膜動脈を観察して、高血圧性変化の有無や動脈硬化の程度を評価したものです。
高血圧性変化や動脈硬化性変化は視力低下による自覚症状が乏しいケースもあるため、指摘された場合には眼科受診と精密な眼底検査をお勧めします。
健康診断では主に「Scheie分類」による評価法が用いられ、高血圧性変化を(H)、動脈硬化性変化を(S)と表記しています。
評価基準は以下のとおりです。
★ Scheie分類
画像出典元:日本予防医学協会「眼底検査」
視神経乳頭陥凹拡大 (疑い)・緑内障 (疑い)
視神経の出入り口である視神経乳頭を観察して、中央の凹み(陥凹部)の大きさを評価したものです。
視神経乳頭陥凹拡大は緑内障が疑われる所見です。
緑内障はわが国における中途失明原因の上位を占める疾患で、緑内障と診断された場合眼圧のコントロールが重要となります。
進行すれば視野が欠けてくる恐れもあるので、指摘された場合には早急に眼科を受診しましょう。
白内障 (疑い)
白内障とは、目の中でピント調節を行う水晶体という組織が白く濁ってしまう状態で、濁りの程度によっては、眼底所見が詳細に観察しづらくなることがあります。
白内障は進行すると自覚的な視力低下に直結するため、指摘された場合には眼科受診をお勧めします。
白内障の手術をするかどうかも含めて眼科医と相談することが重要です。
眼底出血・網膜出血
眼底に生じる出血は、糖尿病や高血圧などの全身疾患に伴うものや加齢性変化に伴うものなど様々な原因で生じます。出血した部位によっては「視力が悪くなる自覚症状」が乏しいこともあるため、原因を探る必要があります。
出血の原因によっては早期治療が必要となる場合も考えられるので、指摘された場合には眼科受診と精密な眼底検査をお勧めします。
硬性白斑・白斑
硬性白斑は糖尿病や高血圧などの全身疾患に伴って生じる眼底所見の1つです。
さまざまな原因で網膜の血管が障害を受けると、血管の壁が脆くなり、そこから血液の成分が漏れ出て凝集したものが硬性白斑とよばれる所見です。網膜のむくみを示唆する所見でもあるため、指摘された場合には眼科受診と精密な眼底検査をお勧めします。
ドルーゼン
ドルーゼンは加齢性の変化で生じる眼底所見の1つですが、日本における中途失明原因の上位を占める加齢黄斑変性症の前触れとして起こる症状でもあります。
ドルーゼン自体が「直ちに悪さをすることは少ない」と言われています。しかし加齢黄斑変性の前段階である場合も考えられることから、指摘された場合には一度眼科受診をするのがおすすめです。
豹紋状眼底・コーヌス
豹紋状眼底・コーヌスどちらも強い近視に伴い、眼球の組織が引き延ばされてしまうことで生じる眼底所見です。豹紋状眼底とは、眼球組織の伸展に伴う眼底色調のむらを言いますが、これは病気ではなく、あくまでも近視に伴う眼底変化の1つのため治療の必要はありません。
コーヌスとは、近視に伴う視神経乳頭の変化をいいますが、こちらも大半は治療の必要がないと言われています。しかし近視に伴うほかの眼底疾患が隠れている場合もありますので、指摘されて心配な方は一度眼科受診をするのがおすすめです。
黄斑部異常
網膜の中でも特に視力に大きく関与する黄斑部に所見が見られるものの総称です。
この部分にむくみや出血、変性、膜などがみられる場合に指摘され、単純な視力低下だけでなく、ものの歪み(変視)や視界の一部が見えづらい(視野障害)などを併発する場合があります。指摘された場合には速やかに原因を探る必要がありますので、眼科受診と精密な眼底検査をおすすめします。
網脈絡膜萎縮
網膜だけでなく、網膜の後方側に存在する脈絡膜も萎縮した状態を言い、加齢性変化や近視性変化をはじめ、ほかの眼底疾患の消退後や遺伝性疾患などでも見られることがある所見です。
萎縮部が広範囲に及ぶと視力障害や視野障害の原因となることもあるため、指摘された場合には眼科受診と精密な眼底検査をおすすめします。
眼底検査にかかる費用
眼底検査には医療保険が適用されるため、自己負担が3割の場合は汎網膜硝子体検査と算定され、片目の検査で450円、両目の検査で900円がかかります。
実際はこの他に初診料や検査方法による費用の違いが発生するため、詳細は受診したい医療機関に問い合わせをしてみましょう。
健康診断で異常を指摘されたらまずは高崎タワークリニックへご相談ください
健康診断で眼底検査を受け、医療機関への受診を指示されたらまずは高崎タワークリニックへご相談ください。
眼底検査を怖いと感じる人がいるように、受診するのに抵抗がある人も少なくありません。当クリニックでは、視力検査の段階から熟練した視能訓練士が担当し、患者の皆さまの気持ちに寄り添った接遇をスタッフ一同が心がけております。
健康診断で目の異常を指摘された際は、ぜひ健康診断の結果の用紙をご持参ください。前項でご紹介した以外の眼底所見があった場合でもご相談をお受けいたします。
ご希望があれば眼ドックなども行いますので、まずは眼の健康を第一に考えていきましょう。
眼科・小児眼科・眼科各種レーザー|高崎タワークリニック (takasaki-tower.clinic)
まとめ
眼底検査とは眼球の奥にある眼底と呼ばれる部分の状態を観察する検査のことです。
健康診断でも行われる検査で早期にさまざまな異常を検知できるため、もし受診を指示された場合は早めに眼科を受診しましょう。
眼ドックについて
当院では眼ドック検査を行っております。眼の健康を第一にまずはご相談ください。
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