「結膜炎」とは疾患の名前ではなく結膜に炎症が起きている状態のことをさします。
炎症を起こす原因には細菌・ウイルス・アレルギー反応などがあり、原因ごとに病態や症状、治療が異なります。
●細菌による結膜炎(カタル性結膜炎)・・目の表面で細菌が異常に増えて起こります。抗菌点眼を使用し治療します。細菌の種類によっては点眼が効きにくく他剤への変更が必要な場合もあります。
●アレルギー性結膜炎・・花粉やダニ、ハウスダスト、コンタクトレンズに付着した汚れなど特定の物質に対するアレルギー反応が原因でおこる結膜炎です。原因となっている物質に触れてから10分程度で症状が出ます。抗アレルギー点眼薬にて治療をします。症状によってはステロイドや免疫抑制剤点眼を使用することもあります
●ウイルス性結膜炎・・アデノウイルス、エンテロウイルス等によって生じる結膜炎です。アデノウイルスによる結膜炎に関しては流行性角結膜炎の項目をご参照ください。 共通して言えるのは結膜炎を起こしているウイルスに対して特効薬はなく、抗菌点眼やステロイド点眼で合併症の発生を防ぎながら治癒を待つことが主な治療となります。
●淋菌性結膜炎・・他の結膜炎ではみられないようなあふれるような大量のめやにが生じます。抗菌薬の点眼・点滴を行います。治療が遅れると角膜に穴が空くこともあります。新生児産道感染によるもの、小児の家族内感染によるもの、成人の性感染症由来のもの、感染経路の特定できないものもあります。