最近トイレが近いのが気になり始めたけれど、原因がよくわからず、どのように対処してよいか困っている人はいませんか?
この記事ではトイレが近い場合に考えられることや、その原因、対策まで詳しくご紹介します。
目次
トイレが近いとは?
トイレが近い、尿の回数が多い状態のことを「頻尿」と言います。
日本泌尿器科学会では頻尿を「朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上の場合」と定義づけています。ただし、人により排尿回数は異なるため、8回以下の排尿回数でも自分で排尿回数が多いと感じた場合は頻尿とされます。
トイレが近いと感じたら、まずは自分が1日何回排尿しているかを記録し回数を数えてみましょう。
トイレが近い原因
トイレが近くなるのは、次のような原因が考えられます。
項目 | 概要 |
過活動膀胱 | 膀胱に尿が十分に溜まっていないのに自分の意思と関係なく勝手に収縮してしまう病気 |
残尿量の増加 | 排尿後も膀胱内に尿が残ってしまう状態 |
多尿 | 1日の尿量が著しく増えた状態 |
尿路感染・炎症 | 尿路感染により膀胱の知覚神経が刺激される状態 |
腫瘍 | 膀胱がんなど |
心因性 | 身体的な病気はないにも関わらずトイレに何度も行ってしまう状態 |
膀胱がんなどの病気が原因で頻尿になる可能性もあるため、症状が見受けられたら早急に受診するのが望ましいでしょう。
トイレが近い人の現状
2021年1月に、朝日新聞Reライフプロジェクトが280人を対象に行った尿トラブルに関するアンケート調査において「排尿に関してどのような悩みがあるか」たずねたところ、次のような結果が出ました。
悩みの内容 | 割合 |
尿の回数が多い | 51% |
夜間に何度もトイレに起きる | 45% |
尿漏れがある | 40% |
突然の尿意がある | 33% |
尿の切れが悪い | 29% |
残尿感がある | 19% |
悩みはない | 10% |
その他 | 5% |
排尿に関する悩みがない人は少数派で、悩みがある人は、それが原因でQOL(生活の質)が下がっている様子が見受けられます。
参考:朝日新聞Reライフ.ネット「『回数多い』51%、『夜中に何度も起きる』45% 9割が頻尿や尿漏れなど悩み」
トイレが近い人にしてほしい対策
2021年1月に朝日新聞Reライフプロジェクトが280人を対象に行った尿トラブルに関するアンケート調査において、どのような対策を取っているかについてたずねた所、次のような結果でした。
対策の内容 | 割合 |
対策はしていない | 34% |
水分を控える | 28% |
尿漏れパンツや吸水パッド、紙おむつを使用する | 24% |
骨盤低筋トレーニングなど筋力を鍛える | 17% |
医療機関を受診している | 8% |
アンケートで最も多かったのが「対策はしていない」で34%でした。トイレが近い状態を放置すると、前の項目でご紹介した、膀胱がんなどの原因となる病気を見落としてしまう可能性が出てきます。
また、頻尿がひどくなるにつれ、少しずつQOLも低下していくでしょう。このようなことを避けるためにも、トイレが近いと感じたら行ってほしい対策を7つご紹介します。
参考:朝日新聞Reライフ.ネット「吸水パッドやトレーニング…尿ケアに苦心 水分を控えて脱水症状のリスクも」
①:排尿日誌をつける
トイレが近いと感じたら、まずは客観的に排尿の回数や量を計測するため、排尿日誌をつけるのがおすすめです。
テンプレートは、一般社団法人日本排尿機能学会のホームページの「ガイドライン・指針・声明文・転載」のページからPDFでダウンロードできます。
テンプレートには次の3種類があります。
自分が気になる症状に合わせてテンプレートを選び、なるべく毎日記録を取るようにしましょう。
②:水分摂取の方法を見直す
前の項目でご紹介した、尿トラブルについてのアンケート調査では、「水分を控える」という対策を取っている人が28%いました。しかし、トイレが近いから水分を控えると、脱水症状を引き起こしてしまうため、あまりおすすめできません。
そのため、水分摂取の方法として、次の2点を見直してみましょう。
- カフェインを含む飲み物を取り過ぎていないか
- アルコールを取り過ぎていないか
カフェインやアルコールには利尿作用があるので、カフェインを含む緑茶、コーヒー、またはお酒などを取り過ぎると、トイレが近くなってしまいます。
普段自分が何をどのくらい飲んでいるかを把握し、カフェインやアルコールを取り過ぎていると感じたら、少し控えるのがおすすめです。
③:体操やエクササイズを取り入れる
トイレが近い人は、骨盤底筋体操を次のような手順で行なってみましょう。
①:仰向けに寝て足を肩幅に開いて膝を経てる
②:膣や肛門の筋肉に力を入れて引き締め10秒ほど数える
③:力をゆるめてリラックスする
④:②と③の手順を繰り返す
※慣れたら座ったり立ったりして行ってもよい
上記の手順で骨盤底筋体操を行うことにより、排尿をコントロールしている骨盤底筋の衰えの改善が期待できます。
運動を始めたからといって、すぐにトイレが近い症状が改善されるわけではありませんが、毎日少しずつでも続けることが大切です。
④:緊張をほぐしリラックスする
膀胱は、精神的な影響を受けやすい臓器の1つであるため、緊張によってトイレが近い状態になる場合があります。
もし、緊張が続いていると感じたら、意識してリラックスできる時間を作り、ゆっくりと入浴したり、好きなことをしたりして身体も心もゆるめるようにしましょう。
⑤:尿漏れ対策をする
トイレが近い場合、尿漏れパンツや吸水パッド、紙おむつを使用するなどして、尿漏れ対策をしておくと外出がしやすくなるでしょう。
サイズが小さく、ポーチなどに入れて持ち歩きがしやすいパッドから、吸収力が高くはきやすい紙パンツタイプのものまで種類が豊富なので、自分のニーズに合ったものが選べます。
最初は何種類か試してみて、自分が心地よく使えるものを選びましょう。
⑥:受診する
これまでご紹介した対策を実行するのもよいのですが、排尿日誌をつけて、頻尿だと感じたら、まずは泌尿器科に受診してみることをおすすめします。
トイレが近い原因としては、尿路感染や炎症、腫瘍なども考えられます。これらは、受診しないと診断できず、改善も見込めません。
特に、血尿や腹痛など別の症状もある場合は、早めに受診することが大切です。
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まとめ
トイレが近い、尿の回数が多い状態のことを「頻尿」と言いますが、頻尿の原因としては尿路感染や炎症、腫瘍なども考えられます。
頻尿や尿漏れを改善する薬もあるので、この記事を参考に、頻尿の疑いがある場合は、まずは早めに受診するようにしましょう。