もうすぐ夏休みの時期になりますね。
自由研究の題材として「太陽を観察してみよう!」と考えているお子さんもいるのではないでしょうか?
今回は太陽の正しい観察方法と誤った太陽の観察によって目に起きる病気についてお話していきたいと思います。
太陽は地球から見える最も明るい天体です。
太陽は地球から約1億5000万 ㎞もの想像しがたいほど離れた場所に存在していますが、地球にいる私たちが体感する太陽のまぶしさはかなりのものです。
そんな強い光を放つ太陽を不適切な観察方法や肉眼で直視してしまうと、短時間の観察であっても目を痛めてしまう危険性があります。
また、たとえ太陽が雲によって隠れていた場合でも、目にとって太陽自体の光や熱が強すぎることに変わりはありません。
観察器具の使い方を守って正しい方法で太陽の観察を行うようにしましょう。
<太陽の正しい観察方法 (例)>
・●太陽観察(日食)専用のグラスや遮光板・フィルタを使う
※ 長時間の観察は控える方が目には安心です。
市販のサングラスや下敷きなどでは太陽の光や熱を通過させてしまう場合があります。
・●望遠鏡を使って太陽投影板に投影する
※ 太陽観察に適していない望遠鏡もあるので、使用前に確認が必要な場合があります。
正しい観察方法を守らなかった場合・・・
太陽の強すぎる光や熱によって、目の奥にある網膜が火傷状態になってしまう危険性があります。
眼科ではこのような状態を「日光網膜症(日食網膜症)」と呼びます。
肉眼で太陽を直視する行為は目にとって大きなダメージを与えてしまうので、この病気の発症リスクをより高めてしまいます。
天候が晴天であれば、わずか1秒程度の凝視でも目に障害が起こると言われています。
また、太陽の観察に対応していない下敷きなどの光の遮断が不十分な道具や市販のサングラスなどの目に有害な波長の光を通しやすいものを使用してしまうことでもこの病気は起こりえます。
太陽観察に不適切な道具やものを使って観ると、一見あまりまぶしさがなくなったように感じるかもしれません。
ですが、実際には目にとって有害な波長の光や強すぎる熱が網膜まで達して、網膜内の細胞を傷つけてしまっている危険性があるのです。
特に若い年齢の方ほど目の中に光を通過させやすいと言われているので、観察方法や観察時間には注意してください。
発症したときの具体的な症状は程度によって様々です。
一過性の視力不良や気分不良、中心暗点などがみとめられることが多いです。
しかし視力不良が一過性にとどまらない場合もありますので、症状が継続する際には眼科への相談・受診をお勧めします。
少し怖い病気のお話もしましたが、太陽の観察は方法さえ守れば安全です。
私たちが日ざしを浴びて日頃生活できているのも太陽のおかげですし、その太陽がなくなってしまうと私たちは生きていくことができなくなります。
太陽の存在は私たちの生活になくてはならないもので、太陽が持つ巨大なエネルギーにはとても魅力的なものを感じますね。
楽しい夏休みの機会に、自由研究の題材として太陽の魅力に触れてみてはいかかでしょうか。